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第211回 世界地歴編(2025年8月)

2025.8.8 update
キーワード 書誌表示 編著者名 『書名 巻次』/「誌名 巻.号.通号」 発行所 発行年月 掲載頁
アイルランド農業 文献目録 本多三郎 『ブリテン資本主義下のアイルランド農業 : 土地戦争の経済史的背景』 思文閣出版 2025.1 p794-809
アジア経済史 参考文献 古田和子* 『アジア経済史 下』 岩波書店 2025.4 p387-426
アジア東部 参考文献 家近亮子 『東アジア現代史』 筑摩書房 2025.1 p466-486
アッカド語 さらに勉強したい方のために 青島忠一朗 『アッカド語文法』 リトン 2024.12 p185-186
アッシリア王国 参考文献 小林登志子 『アッシリア全史 : 都市国家から世界帝国までの1400年』 中央公論新社 2025.1 p311-307
アメリカ外交 参考文献 村野将 『米中戦争を阻止せよ : トランプの参謀たちの暗闘』 PHP研究所 2025.2 p231-233
イギリス小説 参考資料* 高橋和久* 『「英国」小説の手ざわり : 英語で味わう名作の書き出しか終わり、あるいは名場面、もしくは短編全文』 Gakken 2025.4 p260-263
イギリス法 参考文献 戒能通弘* 『イギリス法入門 : 歴史、社会、法思想から見る 2版』 法律文化社 2025.5 p205-207
イスラエル 参考文献 ナヴォンE 『イスラエル外交史』 ミルトス 2025.5 p409-401
イスラム金融 次に読む5冊 長岡慎介 『イスラームからお金を考える』 筑摩書房 2024.12 p183-185
ウガンダ 文献リスト 吉田昌夫* 『ウガンダを知るための62章 2版』 明石書店 2024.12 p404-395
ウクライナ史 参考文献 安齋篤人 『ガリツィア全史 : ウクライナとポーランドをめぐる歴史地政学』 パブリブ 2024.12 p380-401
エジプト古代 参考文献 大城道則 『古代エジプト文明 : 世界史の源流』 講談社 2025.1 p268-280
エルサレム 文献目録 ギルバートM 『エルサレムの20世紀』 筑摩書房 2025.4 p664-655
オーストラリア政治 引用参考文献 杉田弘也 『現代オーストラリア政治 : 地域研究のファーストステップ』 法律文化社 2025.2 p225-232
カトリック教会 参照文献表 桜井健吾 『近代世界と宗教 : 19世紀ドイツのカトリック社会・政治運動』 教文館 2025.4 p7-21b
カナダ 参考文献 山野内勘二 『カナダ : 資源・ハイテク・移民が拓く未来の「準超大国」』 中央公論新社 2024.12 p271-264
韓国経済 参考文献 細川幸太郎 『サムスンは生き残れるか : 逆境の韓国経済』 日経BP日本経済新聞出版 2025.1 p268-269
北大西洋条約機構 参照文献一覧 サロッティME 『1インチの攻防 : NATO拡大とポスト冷戦秩序の構築 下』 岩波書店 2024.12 p17-54b
キューバ 参考文献 後藤政子 『キューバを知るための50章 2版』 明石書店 2025.3 p273-279
ギリシア古代 読書案内 ミジョットL 『古代ギリシアのいとなみ : 都市国家の経済と暮らし』 刀水書房 2025.1 p234-265
国際連合 参考文献 山本栄二* 『国連入門 : 理念と現場からみる平和と安全』 筑摩書房 2025.2 p245-251
シュメール文明 参考文献 小林登志子 『シュメル人』 講談社 2025.2 p281-286
スパルタ 参考文献リスト 長谷川岳男 『スパルタ : 古代ギリシアの神話と実像』 文藝春秋 2024.12 p257-264
スラブ語 学習書ガイド 三谷惠子 『比較で読みとくスラヴ語のしくみ 新版』 白水社 2025.2 p241-244
台湾史 ライブラリー 春山明哲* 『台湾の歴史大全 : 基礎から研究へのレファレンス』 藤原書店 2025.2 p391-417
チベット史 参考文献一覧 正木晃 『チベット史 : 仏教の国の政治と外交』 KADOKAWA 2025.4 p247-255
中国南北朝時代 参考文献一覧 岡田和一郎 『中国北朝国家論』 汲古書院 2025.1 p401-426
中国文学 参考文献 下定雅弘 『中国の名作をどう読むか : 真の主題を見極める』 勉誠社 2025.5 p564-574
朝鮮語 参考文献資料 金敬鎬 『言語の交流 : 日本語と韓国語における借用語』 博英社 2025.2 p312-317
ドイツ民法 参考文献* ライポルトD 『ドイツ相続法』 信山社 2024.12 p377-380
ドミニカ共和国 参考参照文献一覧 国本伊代* 『ドミニカ共和国を知るための60章 2版』 明石書店 2025.5 p301-293
日ロ交流史 資料参考文献 シュラトフ・ヤロスラブ 『日本とロシア : 忘れられた交流史』 柏書房 2025.5 p324-335
日中戦争 基本資料目録 鹿錫俊 『日中全面戦争に至る中国の選択1933-1937 : 「防共」と「抗日」をめぐる葛藤』 東京大出版会 2024.12 p305-310
日朝関係史 参考文献 瀧音能之 『日本書紀が解き明かす日朝古代史の謎』 宝島社 2025.5 p204-205
東インド会社 参考文献 浜渦哲雄 『イギリス東インド会社 : 軍隊・官僚・総督』 講談社 2025.5 p197-204
フィンランド語 学習に役立つ本 石井晴奈 『語学探偵ハンナ : 謎解きフィンランド語』 ビネバル出版 2024.12 p114-116
ブルガリア外交 文献目録 ヴトヴァ・ステファノヴァV* 『ブルガリア・日本交流史 : バルカンのバラとサクラの巡り会い』 彩流社 2024.12 p7-62b
ペルシア美術 参考文献 モハッラミプールZ 『「東洋」の変貌 : 近代日本の美術史像とペルシア』 名古屋大出版会 2025.3 p12-56b
ポーランド教育 参考文献 白木太一 『国民教育委員会 : ヨーロッパ最初の「文部省」』 群像社 2024.12 p133-129(1-5b)
ボリビア ブックガイド 大島正裕 『ボリビアを知るための65章 3版』 明石書店 2025.1 p367-377
ポルトガル人 文献 高橋昻輝 『多文化都市トロントにおける移民街の揺動 : ジェントリフィケーション・私的政府BIA・ローカル政治』 明石書店 2025.3 p275-287
マケドニア 参考文献 澤田典子 『古代マケドニア全史 : フィリッポスとアレクサンドロスの王国』 講談社 2025.3 p448-457
ミトラス教 参考文献 井上文則 『異教のローマ : ミトラス教とその時代』 講談社 2025.2 p231-246
南アジア 河﨑豊 『アジア研究図書館所蔵南アジア地域研究プロジェクト東京大学拠点(TINDAS)寄贈資料目録』 東京大 2025.3 11,81p B5
ヤルタ会談 参考文献目録 キャッツCG 『ヤルタの娘たち : チャーチル、ローズヴェルト、ハリマン父娘の愛と戦争の物語』 中央公論新社 2025.3 p501-496
ユダヤ人 参考文献 鶴見太郎 『ユダヤ人の歴史 : 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで』 中央公論新社 2025.1 p317-305
レジスタンス運動 参考文献 バタリオンJ 『ゲットーの娘たち : ナチスに抵抗したユダヤ人女性の知られざる歴史』 国書刊行会 2024.12 p7-16b
ロシア史 利用文献一覧 豊川浩一 『プガチョーフ叛乱 : エカチェリーナ二世時代の「ロシア的叛乱」と民衆の世界』 山川出版社 2024.12 p29-49b
ロシア政治 参考文献 鳥飼将雅 『ロシア政治 : プーチン権威主義体制の抑圧と懐柔』 中央公論新社 2025.5 p307-300

凡 例

  : 他件名・書誌表示・編者略
 〈 〉 : 書誌部分編者
 p1-3b : 後付部分に書誌があって、頁付がある場合
 3pb : 後付部分に書誌があって、頁付がない場合
  : 図書単行書誌
 ks : 菊判
 46s : 四六判
 p7」 : 第7頁1頁のみのもの
 89p : 全頁
 prr : 各章末


編者:有木太一ふとし紹介

 1968年11月、東京都杉並区の産婦人科で生まれ、世田谷区で乳幼児期を過ごし、小学校入学時に群馬県に移る。市立の小・中学校と県立の高校を卒業し、少し長い浪人期間を経て、早稲田大学第二文学部(現文化構想学部・文学部)に入学。“大学5年生”の時、図書館司書資格関係の講座を受講し、深井人詩・中西裕両先生に師事。この縁で、2018年2月「最近の書誌図書関係文献」を引き継ぐことになった。また、『書誌年鑑』2016・2017年版で編集作業を見習い、2018年版から編者に就任した。現在は東京都特別区西部在住。

 これまで連載を続けられた中西裕先生は、連載開始から満10周年となる2018年1月をもってご勇退されました。2008年2月からの10年間、本当にお疲れさまでした。この2月からは、有木太一が担当します。未熟者ですが微力を尽くしますので、よろしくお願いいたします。体裁や掲載ルールなどは、基本的にこれまでと同じです。

2018年2月 有木太一

2008年「最近の書誌図書関係文献」再開にあたって (中西ゆたか

 『日本古書通信』誌で長期にわたって連載され、2007年7月をもって終了した「最近の書誌図書関係文献」が日外アソシエーツ社のご厚意でここに復活することとなった。

 歴史をたどってみると、書誌学者天野敬太郎が昭和15年(1940年)に連載を始め、戦争が激しくなったために昭和19年(1944年)に中断、10年のブランクを経て戦後昭和29年(1954年)に再開されている。天野は昭和42年(1967年)に手を引き、深井人詩氏にバトンタッチされた。その後渡辺美好が共編者となった時期を経て、最後に中西が引き継ぐこととなった。中断期間はあるものの、想像を絶するほど長い時代にわたって、この連載は書誌の世界を眺めてきたことになる。

 再開される本連載では『日本古書通信』誌での形式を基本的にすべて踏襲することとした。したがって、ここで紹介していくのは新しく編まれた書誌・目録である。1冊全体が書誌であるものはもちろん、研究書に収められた参考文献なども対象とする。あるいは著作家の伝記に付けられた年譜も著作物が記されていれば採録することとする。もうひとつの柱である「図書関係文献」は年に1回程度とりあげることとなろう。唯一異なるのは書名等の長さに制限を加える必要がなくなったことぐらいである。

 Webの世界に親しんでいない方にご覧いただけないのは残念である。携帯電話を持たず、電子辞書も敬遠している、本質的に活字人間である編者としては、できることなら印刷媒体での再開を企図していたのが正直なところだが、時代は想像以上に進んでいる。昨秋、新語事典が1種を残して刊行休止と伝えられたのは象徴的な事態であった。Web上での新語検索が主流となったことによるという。暮になると店頭に山のように詰まれていた新語辞典を見ることがもうなくなるのかと思うと、まことに寂しい。

 ともあれ、こうして再開されることは編者にとってもまことにありがたいことである。1年間の「書誌の書誌」を集積した『書誌年鑑』を発行する出版社のホームページ上で連載できることはあらゆる意味で願ってもないことである。ぜひご活用いただき、あわせて漏れているもののご指摘などを伺えるとすれば、Webでの公開の意義も高まることであろう。

2008年2月15日 中西 裕(昭和女子大学教授)

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